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生産性向上と省人化を両立するNETISコンクリート二次製品とは

生産性向上と省人化を両立するNETISコンクリート二次製品とは

深刻化する建設業界の課題と「コンクリート二次製品」の重要性

日本の建設業界は今、かつてない大きな転換期に立たされています。少子高齢化に伴う労働力不足は加速し、熟練技能者の大量退職が現実のものとなっています。さらに「建設業の2024年問題」として知られる時間外労働の上限規制が適用され、限られた工期と人員でいかに成果を出すかが、企業の存続を左右する重要な鍵となっています。

このような状況下で、現場の救世主として再注目されているのが「コンクリート二次製品」です。現場で型枠を組み、生コンを打設する「現場打ち」から、工場であらかじめ製造された「プレキャスト製品」へ切り替えることは、単なる工法変更以上の価値を持ちます。それは、現場作業の徹底的なスリム化と、品質の均一化を同時に達成する戦略的な選択です。

本記事では、さらに一歩踏み込み、国土交通省が推奨するNETIS(新技術情報提供システム)に登録されたコンクリート二次製品が、いかにして現場の生産性を劇的に向上させ、省人化を加速させるのかを深掘りします。10年以上の経験を持つライターの視点から、実務に役立つ最新トレンドと具体的な解決策を提示します。

建設現場における「生産性向上」とは、単に早く終わらせることではありません。少ない人員で、より安全に、かつ高い品質を維持し続ける仕組みを構築することこそが本質です。

NETIS(新技術情報提供システム)とは何か?活用のメリットを再確認

建設DXや省人化を語る上で欠かせないのがNETIS(New Technology Information System)です。これは国土交通省が運用する、民間企業が開発した新技術を共有・提供するためのデータベースです。NETIS登録製品を採用することは、現場の効率化だけでなく、施工会社にとって営業戦略上の大きなメリットをもたらします。

NETIS登録技術を活用する最大の利点は、公共工事の入札における「総合評価落札方式」での加点対象となる点です。また、施工後の「工事成績評定」においてもプラスの評価が得られやすくなります。これは、発注者側が「より優れた技術を積極的に取り入れる姿勢」を高く評価しているためです。つまり、NETIS登録のコンクリート二次製品を選ぶことは、技術的な優位性と受注競争力の双方を高めることにつながります。

さらに、NETISには「V登録(評価確定技術)」や「A登録(申請技術)」などの区分があり、現場での使用実績が豊富で効果が実証されているものほど、信頼性が高まります。省人化に特化したNETIS製品は、従来の工法に比べて「どれだけの手間が省けるか」が数値化されているため、事前の計画立案やコスト試算が容易になるという実務上のメリットもあります。

NETIS登録製品を活用する主なメリット

  • 公共工事での加点:総合評価落札方式や工事成績評定での有利な評価。
  • 信頼性の担保:国が認めたデータベースに登録されているという安心感。
  • 工期短縮の証明:従来技術との比較データに基づいた効率的な工程管理。
  • 技術提案の強化:発注者に対し、根拠のある省人化案を提示可能。

コンクリート二次製品が「省人化」に直結する3つの理由

なぜコンクリート二次製品が、これほどまでに省人化の切り札とされるのでしょうか。その理由は、現場で行われる作業の「工程移動」にあります。現場打ちコンクリートの場合、型枠工、鉄筋工、打設工、左官工など、多くの専門技能者が必要です。しかし、製品化されたコンクリート二次製品を用いることで、これらの工程の大部分を工場へと移管できます。

第一の理由は「現場待機時間の削減」です。生コン車の到着待ちや、硬化を待つ養生期間が不要になります。製品をクレーンで据え付けるだけの作業になるため、現場に張り付く人数を最小限に抑えられます。第二に「天候リスクの回避」です。雨天による打設中止がなくなるため、工程の遅延が発生しにくく、予備人員を確保しておく必要がなくなります。

第三の理由は「高度な技能の不要化」です。熟練の型枠大工が不足する中、ボルト連結やクレーン吊り設置だけで完了する二次製品は、経験の浅い作業員でも高品質な施工を可能にします。これにより、限られた熟練者をより複雑な箇所の施工に集中させることができ、組織全体の人的リソースを最適化できるのです。これは、まさに人手不足時代のスタンダードと言えるでしょう。

関連記事:建設業の2024年問題とプレキャスト化の相関関係

生産性を最大化するNETIS製品の具体例と技術的特徴

具体的にどのようなNETIS登録コンクリート二次製品が、現場の生産性を変えているのでしょうか。最近のトレンドは「軽量化」「大型化」「連結の簡素化」です。例えば、従来のL型擁壁をさらに改良し、基礎石を不要にした製品や、ワンタッチで強固に連結できるボックスカルバートなどが挙げられます。これらはすべて、現場での「人の手」を介する作業を減らすために設計されています。

また、NETIS登録製品の中には、センサーを内蔵したスマートコンクリート製品も登場しています。施工後の維持管理を省力化する技術も、広義の省人化に含まれます。例えば、内部の鉄筋腐食を検知するセンサー付きの製品であれば、定期的な目視点検の回数を減らすことが可能です。施工時だけでなく、供用後のライフサイクルコスト全体で見ても、NETIS製品の価値は極めて高いと言えます。

以下の表は、一般的な現場打ち工法と、NETIS登録のコンクリート二次製品を用いた工法の比較です。数値で見ると、その差は歴然としています。

比較項目 現場打ち工法 NETIS登録二次製品
必要作業人数 多い(5〜8名以上) 少ない(2〜3名)
施工期間 長い(養生期間含む) 短い(即時埋戻し可)
品質の安定性 現場環境に左右される 工場管理で極めて高い
NETIS加点 なし あり(最大評価)

実務で差がつく!NETISコンクリート二次製品の選定アドバイス

NETIS登録されているコンクリート二次製品は数多く存在しますが、どれを選んでも同じ結果が得られるわけではありません。現場の状況に合わせた最適な選定が、省人化の成否を分けます。まず注目すべきは、その製品が「どの工程を削減するか」を明確にすることです。単に製品価格だけで比較するのではなく、重機使用料、人件費、そして短縮された工期によって削減できる共通仮設費を含めた「トータルコスト」で判断する必要があります。

次に重要なのが、メーカーのサポート体制です。NETIS製品は施工計画書の作成時に、従来技術との比較表を提出する必要があります。この際、詳細なデータや図面を迅速に提供してくれるメーカーを選ぶことが、事務作業の省力化にもつながります。また、現場での据付指導(技術指導員)の派遣があるかどうかも、不慣れな製品を導入する際の安心材料となります。

さらに、製品の「汎用性」も考慮しましょう。特殊すぎる形状の製品は、運搬コストが割高になったり、現場での微調整が難しかったりする場合があります。標準的な仕様でありながら、連結部や基礎構造にNETIS登録の独自技術が盛り込まれている製品が、最も扱いやすく、かつ効果を実感しやすい傾向にあります。現場の職人からのフィードバックを重視し、施工しやすい形状を選ぶことが、結果として作業スピードの向上に直結します。

  1. トータルコストの算出:製品単価だけでなく、人件費・重機代・工期短縮メリットを合算する。
  2. メーカーの資料提供能力:施工計画書作成をスムーズにするためのデータ提供の速さを確認。
  3. 現場への適合性:搬入路の幅やクレーンの旋回範囲を考慮した製品サイズかチェック。
  4. 施工の簡便さ:特殊な工具が不要か、連結作業が単純化されているかを重視。

【事例紹介】NETIS製品導入による成功と失敗の分かれ道

ある地方都市の道路改良工事では、従来の現場打ち擁壁からNETIS登録のプレキャスト擁壁へ変更したことで、工期を約40%短縮することに成功しました。当初、現場打ちでは15名の人員を要すると試算されていましたが、実際には4名での施工が可能となり、浮いた人員を他の遅延気味だった現場へ回すことができました。これが「省人化」の最も理想的な形です。

一方で、失敗事例も存在します。ある現場では、NETIS登録の最新製品を導入したものの、現場の搬入路が極めて狭く、製品を運ぶ大型トラックが進入できないという事態に陥りました。結局、離れた場所で小規模な車両に積み替える手間が発生し、運搬コストが跳ね上がってしまいました。この事例から学べるのは、製品自体の性能が優れていても、現場の「ロジスティクス」を含めた全体設計が欠かせないという点です。

成功する企業は、設計段階から積極的にメーカーや専門家を巻き込み、現場の制約条件をクリアした上で最適な製品を選定しています。また、施工後のアンケートやデータを蓄積し、次の現場での改善に活かすサイクルを回しています。NETIS製品はあくまで「道具」であり、それを使いこなすための事前の段取りこそが、プロの腕の見せ所と言えるでしょう。

「新技術を導入すること」自体が目的になってはいけません。その技術が、目の前の現場のどの課題を、具体的にどう解決するのかを突き詰めることが成功への近道です。

業界の将来予測:コンクリート二次製品とDXの融合

今後の建設業界において、コンクリート二次製品の役割はさらに拡大していくと予測されます。そのキーワードは「デジタルとの融合」です。現在、BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling/Management)の活用が義務化されつつありますが、プレキャスト製品はあらかじめ3Dデータが存在するため、デジタル上でのシミュレーションと非常に相性が良いのです。

将来的には、NETIS登録製品にICタグやQRコードが埋め込まれ、スマートフォン一つで製造履歴、強度試験結果、施工要領を確認できる仕組みが一般的になるでしょう。これにより、書類作成という「現場外の事務作業」の省人化も進みます。また、自動運転重機による自動据付技術の開発も進んでおり、コンクリート二次製品は「自動化」を前提とした設計へと進化していくはずです。

さらに、カーボンニュートラルの観点からも、工場で厳密な配合管理が行われる二次製品は、低炭素コンクリートの導入がしやすく、環境配慮型の公共工事において大きなアドバンテージとなります。生産性、省人化、そして環境対応。これらすべての要求を満たす存在として、コンクリート二次製品は建設業界の持続可能性を支える基盤となっていくでしょう。

まとめ:NETIS製品で切り拓く建設現場の未来

本記事では、コンクリート二次製品とNETISの活用がいかにして現場の生産性を高め、省人化を実現するかを解説してきました。人手不足や工期短縮の圧力は今後も強まりこそすれ、弱まることはありません。こうした厳しい環境下で勝ち残るためには、従来の手法に固執せず、国が推奨する新技術を戦略的に取り入れる柔軟性が求められます。

NETIS登録のコンクリート二次製品を導入することは、単なる効率化の手段ではありません。それは、働くスタッフの負担を軽減し、安全性を高め、最終的には発注者や地域社会に対して「質の高いインフラ」を迅速に提供するための、誠実な経営判断そのものです。まずは一つの現場から、確かな実績を持つNETIS製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

現場の課題を一つずつ解決していくその積み重ねが、建設業界全体の明るい未来を作ります。私たちも、ものづくりを通じてその一翼を担えるよう、日々技術と知恵を磨き続けています。


岐阜県揖斐郡大野町を拠点に、シート加工や防水カバーの製造、そしてコンクリート養生シートなどの建設資材を幅広く手がける私たち株式会社ひでぴょんグループは、現場の最前線で戦う皆様を「守る」「支える」製品づくりを続けています。本記事でご紹介したコンクリート二次製品の施工効率を高めるための養生技術や、現場の安全を守るカバー類など、私たちの知見が皆様の生産性向上に貢献できれば幸いです。

ひでぴょんでは人の手の温かみを、プログレッシブではアイデアと技術を形にする楽しさを大切にし、正直の振れ幅を意味する「笑直(しょうじき)」をモットーに、地域や産業に笑顔をお届けしています。現場の省人化や効率化に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。現場の「安心」を、共につくっていきましょう。